MOPs?

2015年12月14日

昨日、品川で行われたPROPELの講習会について。

タイトルにあるMOPsとはMicro-osteoperforationsの略で、微小骨穿孔という意味です。
以前のプログに挙げましたように、矯正治療の期間を短縮する方法として外科的侵襲を加え歯の移動速度上げる方法があります。
例えば、コルチコトミーと呼ばれる歯槽骨の皮質骨を削除する方法やコルティシジョンのように特殊なメスを利用して歯槽骨に切開(骨折)を加えるなど様々な方法があります。
これは骨に外科的侵襲が加わると炎症が起き、骨の吸収、増生を行う細胞を活性化させる物質が通常より多数出現します。
これにより矯正治療による歯の移動速度が速くなるRAP(Regional Acceleratory Phenomenon)と呼ばれる現象が生じます。
長期間かかる矯正治療の期間短縮が可能となります。

コルチコトミーやコルティシジョンなどは外科的侵襲が大きく、患者さんの負担が大きいものでした。
そこでもっと侵襲の少なく、簡便な方法として考えられたのがPROPELと呼ばれる専用ドリルを用いて歯槽骨に小さい穴を開けるMOPsです。
少量の麻酔で行うことができ、処置時間も短く、処置後すぐに帰宅することができます。
PROPELを用いると単純な穴を開けるだけでなく、微細なクラック(骨折)できるため効果的にRAPが起きると講師の先生は説明されていました。

この反応は処置後24時間頃がピークで10から12週間継続します。
症例によっては複数回、繰り返し行う必要があるとのことです。
また、当然痛みが出ますので鎮痛剤の投与が必要な場合もあります。
担当の医師によって適切に処方された薬を使用することが重要です。
十分勉強された医師の元で行う必要がありますね。

講習会で見せていただいた症例から、効果の期待できる治療方法だと考えられました。
頬側(表側)からでも舌側(裏側)からでもインビザラインを用いた症例にも適用可能です。
治療期間について気になっていた方や興味のある方はいつでもご相談ください。